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主脚継と片継脚

○施行基面(FL)
縦断図等を元に概定された鉄塔型および継脚を脚方向断面図(C脚 -- A脚断面およびB脚 -- D脚断面)にあてはめて、片継脚・主脚継などを調整し、4脚の各施行水準面を決定するが、このうち特に最も地盤の高い脚の施行水準面を、その鉄塔の施行基面(F.L)とする場合が多い。

○継脚
鉄塔の高さを示すもので、最下電線の地上高を所定の高さに確保するために、標準の高さに設計された鉄塔の下部構造を継ぎ足し、または短くして、その地点に必要な鉄塔高に調整した結果を継脚という。継脚には、次の3つの標示方法がある。
1.平地の標準径間で必要地上高が確保できる鉄塔の高さを標準継脚(±0)として、これより低いものを(-)、高いものを(+)として標示する。
2. 鉄塔の最低高さ(鉄塔位置で最下電線の必要地上高が確保できる高さ)を(0)として、継ぎ足し分を(+)で標示する。
3. 鉄塔高さを最下アームの高さで標示する。

〇片継脚
鉄塔を傾斜地に建てる時、4脚のうち施行基面以外の脚を地盤の傾斜に合わせて主柱材を脚別に調整することを片継脚という。平坦地では、片継脚の必要は無く、この場合は平脚という。(片継脚の継脚単位は、電力会社で異なる)

○主脚継(ポスト継)
鉄塔が傾斜地に建てられる場合、床板上の土量が少なくなり、基礎の引揚耐力(基礎を引っ張りあげようとする力に耐える力)が不足する場合がある。この様な場合には、片継脚とは別に、基礎コンクリート柱体部のみ長さを標準より伸ばし、基礎の根入れ(基礎の深さ)を深くして、基礎耐力を確保する。この場合、鉄塔の主柱材のみを必要な寸法だけ長く継ぎ足すため主脚継(ポスト継)という。

基礎の図の中のAの線は、土量を碇材の線から考えた場合の線です。
基礎の図の中のBの線は、土量を床板底面から考えた場合の線です。
FLや主脚継や片継脚を試行錯誤しながら決定し、それを図面にあらわします。この作業を「脚(あし)入れ」と言ったりするようです。
○根巻きコンクリート
鉄塔敷地の整地で、地盤の起伏を元の形にもどすことを原形復旧といい、傾斜地では引揚力に抵抗するための土量が不足しないよう、片継脚や主脚継を使用することになるが、それぞれの長さに一定の制限があるので、地形条件によっては鉄塔脚部の部材が地中に埋没することがある。この場合に鉄塔部材の腐蝕防止などのため必要な高さまで鉄塔脚部をコンクリートで包む。これを根巻きコンクリートという。(最近は、根巻きをしないように、建設位置あるいはFLを決めることが多い)

19/May/1997